住宅取得・リフォームの補助金の探し方|国と自治体の制度の違い

申請書類と家のイラスト 移住支援制度

住宅の補助金は、国の制度と自治体の制度で探し方も申請の仕方もまったく違います。そして国の制度でいちばん重要なのは、申請するのは施主本人ではなく、登録した施工事業者だという点です。移住先で工務店を決めてから調べ始めると、間に合わないことがあります。

まず、国と自治体の違いを押さえる

項目 国の制度 自治体の制度
内容 省エネ性能が中心 耐震・バリアフリー・移住者向けなど幅広い
金額 大きい 小さめだが要件が緩いことも
探し方 年度ごとのキャンペーン公式サイト 市町村サイト+横断検索サイト
申請者 登録した施工事業者 施主本人のことが多い
締切 予算上限に達し次第終了 年度内・予算枠内

この表のうち、移住者にとって効くのは「自治体の制度」の欄です。国の制度に移住者向けの枠はありませんが、自治体には空き家改修補助、移住者向け住宅取得補助、三世代同居支援など、移住を前提にした制度があります。

国の制度:2026年は「住宅省エネ2026キャンペーン」

国の住宅省エネ支援は、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携した1つのキャンペーンとして運用されています。2026年は「住宅省エネ2026キャンペーン」です。

構成する事業は次のとおりです。

事業名 所管 対象
みらいエコ住宅2026事業 国土交通省 高性能な新築(GX志向型・長期優良住宅・ZEH水準)/躯体の断熱改修を含む幅広いリフォーム
先進的窓リノベ2026事業 環境省 窓など開口部の断熱改修
給湯省エネ2026事業 経済産業省 高効率給湯器の設置
賃貸集合給湯省エネ2026事業 経済産業省 賃貸集合住宅の小型省エネ給湯器の交換

窓は環境省、給湯器は経産省、家全体は国交省という分担です。省庁ごとにバラバラに探す必要はなく、キャンペーンの公式サイトに集約されています。

新築のみらいエコ住宅2026事業は、GX志向型住宅と、長期優良住宅・ZEH水準住宅の枠が用意されています。2025年度の子育てグリーン住宅支援事業からの主な変更点として、寒冷地域での補助額の加算、補助対象外となる立地要件の見直し、リフォーム工事の組合せ基準の設定などが示されています。寒冷地への移住を考えている場合、この加算は確認する価値があります。

いずれの事業も、予算上限に達した時点で終了します。 年度末まで受け付けているとは限りません。

名前が毎年変わるので、去年の記事が検索に残る

国の住宅省エネ補助金は、事業名が毎年変わります。

  • こどもみらい住宅支援事業
  • こどもエコすまい支援事業
  • 子育てエコホーム支援事業
  • 子育てグリーン住宅支援事業
  • みらいエコ住宅2026事業(現在)

制度の骨格は引き継がれていますが、名前が変わるため、過去の事業名で書かれた記事が検索結果に大量に残ります。 しかも当時の補助額や要件がそのまま書かれているので、そのまま信じると金額が合いません。

対処法はシンプルです。「住宅省エネ2026キャンペーン」というキャンペーン名で公式サイトを開き、そこから各事業に入る。 個別の事業名で検索しないことです。翌年になれば数字の部分が変わるだけなので、この探し方は毎年使えます。

落とし穴:申請するのは施主ではなく「登録事業者」

ここが実務上いちばん大事な部分で、しかも見落とされがちです。

住宅省エネキャンペーンの各事業は、事業者登録が必須です。工事を請け負う事業者が、あらかじめキャンペーンに登録し、そのアカウントから交付申請を行います。施主が自分で申請する仕組みではありません。

つまり、こうなります。

登録していない工務店に工事を頼むと、その工事では補助金が使えない。

都市部なら登録事業者は豊富にありますが、移住先が地方の場合、登録している事業者が限られることがあります。 地元の腕のいい大工さんに頼みたいけれど、その方は登録していない、という状況は実際に起こります。

したがって、順番はこうです。

  1. 工務店・リフォーム業者を選ぶ段階で、キャンペーンへの登録の有無を確認する
  2. 未登録なら、登録の意思があるかを聞く(登録は事業者側の手続きです)
  3. 補助金を優先するか、業者を優先するかを決める

「工事の契約をしてから補助金を調べる」という順番だと、この確認が間に合いません。業者選びと補助金の確認は同時に進めてください。

自治体の制度:横断検索できるサイトがある

自治体の制度は数が多く、市町村のサイトを一つずつ見て回るのは現実的ではありません。

ここで役立つのが、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が運営する「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」です。あまり知られていませんが、都道府県・市区町村を指定して、地方公共団体の支援制度を横断的に検索できます。

検索の切り口は2つあります。

  • 支援分類:耐震化、バリアフリー化、省エネルギー化など7項目
  • 支援方法:補助、融資、利子補給、専門家派遣など5項目

「専門家派遣」まで含まれているのが実用的です。補助金だけでなく、耐震診断の専門家を無料で派遣してくれる制度などもここで見つかります。

ただし注意書きがあり、最新の情報は各地方公共団体に問い合わせるよう明記されています。 収録内容には調査時点があるため、このサイトで当たりをつけて、市町村の窓口で確認するという使い方が正解です。

あわせて、移住関連の補助は「住宅リフォーム」の枠に入っていないことがあります。移住定住担当課のページも必ず別に見てください。 空き家バンク登録物件の改修に限定した補助など、移住者向けの制度は移住のページ側に載っていることが多いためです。空き家バンクの使い方は「空き家バンクの使い方|物件の探し方から契約までの流れ」で解説しています。

併用のルール

複数の補助金を組み合わせられるかは、次のように整理されています。

組み合わせ 可否
国の補助金同士(補助対象が重複) 原則不可
国の補助金同士(請負契約と工期が別)
住宅省エネキャンペーン内の各事業どうし (契約・工期が同じでも可)
国の補助金と自治体の補助金 原則可。ただしその自治体の補助金に国費が充当されている場合は不可

実務上、いちばん引っかかるのが最後の行です。自治体の補助金でも、財源に国のお金が入っていれば併用できません。自治体の窓口で「この補助金に国費は入っていますか」と直接聞いてください。 これは担当者が即答できる質問です。

また、住宅省エネキャンペーン内の4事業は、同じ請負契約・同じ工期でも併用できます。窓の断熱と給湯器の交換と躯体の断熱改修を一度にやる場合、3つの事業をまとめて申請できるということです。まとめて工事したほうが有利になる設計です。

移住者が押さえる順番

  1. 物件を決める前:移住先市町村の移住定住ページと、リフォーム支援制度検索サイトで、使えそうな制度を洗い出す
  2. 業者を選ぶとき:住宅省エネ2026キャンペーンへの登録事業者かどうかを確認する
  3. 見積もり段階:どの事業を使うか、自治体の補助金と併用できるか(国費の有無)を確認する
  4. 契約前:予算上限に達していないか、公式サイトで予算執行状況を見る
  5. 工事の計画:まとめられる工事はまとめる。キャンペーン内の事業は同一契約でも併用できる

住宅を取得したときの税金は「地方移住で家を買ったときの税金|不動産取得税・固定資産税・登録免許税」で整理しています。補助金と移住支援金を両方受け取る場合、税務上の扱いも確認しておいてください(「移住支援金はいくらもらえる?世帯・単身・子育て加算の金額」)。

まとめ

  • 国の制度は省エネ性能が中心で移住者向けの枠はない。移住者向けの補助は自治体側にある
  • 2026年の国の制度は「住宅省エネ2026キャンペーン」。国交省のみらいエコ住宅2026事業、環境省の先進的窓リノベ2026事業、経産省の給湯省エネ2026事業などで構成される。いずれも予算上限で終了
  • 事業名は毎年変わる。過去の事業名で書かれた記事が検索に残るため、キャンペーン名で公式サイトを開いて各事業に入る
  • 申請するのは登録した施工事業者。未登録の業者に頼むと補助金が使えない。業者選びと同時に登録の有無を確認する
  • 自治体の制度は住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」で横断検索できる。ただし最新情報は市町村へ確認。移住定住担当課のページも別に見る
  • 併用は、国の補助金同士は補助対象が重複すると不可。自治体の補助金は国費が充当されていなければ併用可。キャンペーン内の各事業は同一契約・同一工期でも併用できる

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