住宅を取得すると、登録免許税・不動産取得税・固定資産税の3つがかかります。いずれにも軽減措置がありますが、2026年4月から新築住宅の固定資産税の床面積要件が変わりました。地方で広い家を建てる場合、これまで対象だった規模が対象外になることがあります。
まず、かかるタイミングがそれぞれ違う
3つの税は、名前が似ているうえに支払う時期がばらばらです。最初に整理しておきます。
| 税金 | いつ | 誰に納める | 課税の対象 |
|---|---|---|---|
| 登録免許税 | 登記のとき(決済時) | 国 | 登記そのもの |
| 不動産取得税 | 取得から数か月後 | 都道府県 | 取得したこと(一度きり) |
| 固定資産税 | 毎年(4〜6月ごろ通知) | 市町村 | 1月1日時点の所有 |
登録免許税は司法書士への報酬とまとめて決済時に精算されるため、支払った実感が薄いまま終わりがちです。逆に不動産取得税は、引越しも落ち着いた数か月後に突然通知書が届きます。 ここで慌てる人が多いので、家を買う段階で「あとから来る税金がある」と覚えておいてください。
【2026年4月変更】新築住宅の固定資産税、床面積の要件が変わった
新築住宅には、固定資産税を一定期間半額にする減額制度があります。この要件が令和8年(2026年)4月1日以後に新築された住宅から変更されました。
| 新築の時期 | 床面積の要件 |
|---|---|
| 令和8年3月31日まで | 50㎡以上 280㎡以下 |
| 令和8年4月1日以後 | 40㎡以上 240㎡以下 |
減額の内容自体は変わっていません。床面積のうち120㎡までに相当する部分の税額が2分の1になり、期間は一般の住宅で3年間、3階建て以上の中高層耐火住宅で5年間です。適用期限は令和13年3月31日までに延長されました(横浜市・今治市の案内による)。
地方移住で影響が出るのは、上限が280㎡から240㎡に下がったことです。
都市部と違い、地方では土地に余裕があります。二世帯で住む、在宅ワーク用の部屋を確保する、農作業や作業場のスペースを母屋に取り込む。そうした事情で延床面積が大きくなるケースは珍しくありません。240㎡はおよそ72坪です。これを超えると、新築住宅の減額制度そのものが使えなくなります。
一方で、下限が50㎡から40㎡に下がったため、これまで対象外だった小さめの住宅が新たに対象になりました。平屋のコンパクトな住宅や、二拠点生活用の小さな家を建てる場合にはプラスに働きます。
設計の段階で延床面積が240㎡前後になりそうなら、税額を試算して比べる価値があります。数㎡の違いで3年分の減額が丸ごと消えるためです。
登録免許税:軽減税率と「取得後1年以内」の証明書
登記にかかる登録免許税にも軽減措置があります。現行の税率は次のとおりです。
| 登記の種類 | 本則 | 軽減 | 適用期限 |
|---|---|---|---|
| 住宅用家屋の所有権保存登記(新築) | 0.4% | 0.15% | 令和9年3月31日 |
| 住宅用家屋の所有権移転登記(中古) | 2.0% | 0.3% | 令和9年3月31日 |
| 住宅取得資金の貸付けに係る抵当権設定登記 | 0.4% | 0.1% | 令和9年3月31日 |
| 土地の売買による所有権移転登記 | 2.0% | 1.5% | 令和11年3月31日 |
注目したいのが、建物と土地で適用期限が違うことです。土地の売買による移転登記の軽減は令和8年度の税制改正で3年延長され、令和11年3月31日までとなりました。住宅用家屋のほうは令和9年3月31日までです。
そしてもうひとつ、実務上とても重要な条件があります。住宅用家屋の軽減を受けるには、市区町村長の証明書(住宅用家屋証明書)を添付して申請する必要があり、その期限は新築または取得後1年以内です。通常は登記を依頼する司法書士が手配してくれますが、自分で登記する場合や、何らかの事情で登記が遅れた場合には自分で意識しておく必要があります。
不動産取得税:忘れた頃に届く通知書
不動産取得税は都道府県税で、取得から数か月後に納税通知書が届きます。
税率は土地と住宅が3%、住宅以外の家屋が4%です。この3%という税率は本則(4%)を引き下げた特例で、適用期限は令和9年3月31日までとなっています。あわせて、宅地を取得した場合は課税標準(評価額)を2分の1にする特例があり、こちらも令和9年3月31日までです(静岡県の案内による)。
移住者にとって注意が必要なのは、通知書が届くタイミングです。
物件を取得してから通知が来るまでに数か月の間があるため、その間に引越しを済ませているケースが多くなります。登記上の住所と実際の住まいがずれていると、通知書が旧住所に送られてしまうことがあります。郵便物の転送届を出しておけば取りこぼしを防げます(「引越し後の郵便物転送届|e転居の使い方と転送期間の注意点」)。
また、住宅や土地の軽減措置は自動的に適用されるとは限らず、都道府県への申告が必要な場合があります。通知書が届いてから「軽減が反映されていない」と気づくこともあるので、取得後は早めに都道府県税事務所に確認しておくのが安全です。
軽減措置の期限は延長を繰り返している。だから古い記事に注意
ここまで見てきた軽減措置には、共通する性質があります。すべて期限つきで、その期限が数年ごとに延長されているということです。
- 登録免許税(住宅用家屋):令和9年3月31日まで
- 登録免許税(土地の移転):令和11年3月31日まで ← 令和8年度改正で3年延長
- 不動産取得税(3%・宅地1/2):令和9年3月31日まで
- 固定資産税(新築住宅の減額):令和13年3月31日まで ← 要件も変更
延長のたびに条件が微調整されることもあります。今回の固定資産税の床面積要件がまさにそれで、期限が延びると同時に上限・下限の両方が動きました。
そのため、住宅取得の税金を検索して出てくる記事は、書かれた時期によって内容が食い違います。「令和6年3月31日まで」で止まっている記事も、「50㎡以上280㎡以下」と書いたままの記事も、いまだに上位に残っています。悪意があるわけではなく、更新されていないだけです。
見分け方は単純で、記事に書かれた適用期限がすでに過ぎていないかを確認することです。過ぎているなら、その記事の他の記述も古い可能性が高いと考えてください。最終的には、国税庁(登録免許税)、都道府県(不動産取得税)、市町村(固定資産税)の公式ページで確認するのが確実です。税目ごとに管轄が違うので、確認先も分かれます。
住宅を取得した年の確定申告については「引越した年の確定申告はどこの税務署に出す?」、住民税の扱いについては「会社員が引越したときの住民税|特別徴収の切り替え手続き」もあわせてご覧ください。
まとめ
- 住宅取得でかかる税は3つ。登録免許税(決済時・国)、不動産取得税(数か月後・都道府県)、固定資産税(毎年・市町村)。不動産取得税は忘れた頃に通知が来る
- 令和8年4月1日以後に新築された住宅から、固定資産税の減額の床面積要件が「40㎡以上240㎡以下」に変更。上限が280㎡から下がったため、地方で広い家を建てると対象外になることがある。適用期限は令和13年3月31日まで
- 登録免許税の軽減は住宅用家屋が令和9年3月31日まで、土地の移転登記が令和11年3月31日まで。住宅用家屋の軽減には取得後1年以内に市区町村長の証明書が必要
- 不動産取得税は土地・住宅が3%、宅地は課税標準2分の1(いずれも令和9年3月31日まで)。軽減に申告が必要な場合があるため、通知書を待たずに確認する
- これらの軽減措置は期限つきで延長を繰り返している。検索で出てくる記事は適用期限の記載が古くなっていないかを必ず確認する
住宅を取得したら火災保険の手配も必要になります。市区町村ごとの水災等地や築年数による引受条件については「引越しで火災保険はどうなる?解約・返戻金と新居での加入」をご覧ください。
空き家バンクを使って中古住宅を探す場合の流れと注意点は「空き家バンクの使い方|物件の探し方から契約までの流れ」で解説しています。
取得やリフォームで使える補助金については「住宅取得・リフォームの補助金の探し方|国と自治体の制度の違い」をご覧ください。


コメント